【プロフィール】 鯛めし 松山 ファン必見の最新情報 #710
世界が認めた瀬戸内ブルーの恵み。松山「ふたつの鯛めし」が起こす地方ガストロノミーの静かな革命
鯛めし 松山を巡る旅が、今、国内外のフードトラベラーの間で空前のブームを迎えている。瀬戸内海の穏やかな海流が育む天然真鯛。その旨味を極限まで引き出した郷土料理が、2026年の地方創生と観光復活の象徴として再びスポットライトを浴びているのだ。
愛媛県松山市内には、炊き込みご飯スタイルの「北条鯛めし」と、新鮮な刺身をタレと卵に絡める「宇和島鯛めし」の2大潮流が共存している。この対照的な二つの味わいを一度に体験できる鯛めし 松山の飲食街は、週末ともなれば行列が絶えない活気に満ちあふれている。
炊き込みか、生か。松山で交差する「二大潮流」の歴史と魅力

松山市内に一歩足を踏み入れると、出汁の甘い香りと磯の香りが鼻腔をくすぐる。ここで味わえる鯛めしには、大きく分けて二つの顔がある。一つは、丸ごとの鯛をお米と一緒に土鍋でふっくらと炊き上げる中予地方の「北条鯛めし」。もう一つは、新鮮な真鯛の刺身を特製のタレと生卵、薬味とともにおひつのご飯にかけていただく南予地方の「宇和島鯛めし」だ。
これほど対照的な二つの郷土料理が、同じ街のなかで競い合い、高め合っている例は全国的にも珍しい。観光客にとっては、一回の旅でまったく異なる「海の恵み」を体験できる贅沢なロケーションとなっている。
2026年、インバウンドが熱視線を送る「Setouchi Gastronomy」の現在地

2026年、日本の地方観光は新たな局面を迎えている。東京や京都といったゴールデンルートを外れ、よりディープな食文化を求める「ガストロノミーツーリズム」が主流となった。そのデスティネーションとして、瀬戸内エリア、特に松山市が世界的な注目を集めている。
欧米やアジアからの旅行者たちは、単に景色を眺めるだけでなく、その土地の気候や歴史が育んだ「一皿」の背景を知りたがっている。松山の鯛めしは、まさにその欲求を満たす完璧なコンテンツだ。シンプルな調理法の中に隠された職人の技と、瀬戸内の豊かな生態系が、彼らの五感を刺激してやまない。
地元漁師が語る、瀬戸内産「三ツ星真鯛」の美味しさの秘密

「瀬戸内の鯛は、身の締まり方が違う」。松山近海で三代続く漁師の言葉だ。瀬戸内海、特に来島海峡に代表される急流エリアは、魚たちにとって天然のトレーニングジムのようなもの。激しい潮流に抗って泳ぐ真鯛は、余分な脂肪が落ち、筋肉質で引き締まった身へと成長する。
さらに、初夏に向けて産卵を控えた春の「桜鯛」、そして秋に脂がのる「紅葉鯛」と、季節ごとに異なる表情を見せるのも魅力だ。この極上の素材が毎日市場に直送され、市内の料理店へと運ばれる。新鮮な素材があるからこそ、シンプルな味付けで勝負できるのだ。
老舗からモダンアレンジまで!編集部が厳選する名店ガイド
松山の街を歩けば、至る所に「鯛めし」の看板が目に入る。どこに入るべきか迷うのも旅の醍醐味だが、まずは外せない定番を押さえたい。創業から数十年を数える老舗では、伝統的な出汁の配合を守り抜いた炊き込み鯛めしが味わえる。蓋を開けた瞬間に立ち上る湯気と、おこげの香ばしさは格別だ。
一方で、近年増えているのがモダンなアレンジを加えた新進気鋭の店舗だ。例えば、洋風のリゾット仕立てにした鯛めしや、ハーブやスパイスを効かせたタレで食べる創作宇和島鯛めしなど、若い世代や外国人観光客の舌に合わせたアプローチも光る。伝統と革新が、松山のフードシーンをよりエキサイティングなものにしている。
持続可能な漁業への挑戦。伝統の味を未来へつなぐ若手料理人たち
しかし、この豊かな食文化を未来に残すための課題もある。地球温暖化に伴う海水温の上昇や、漁獲量の変動だ。松山の若手料理人や漁業関係者たちは今、持続可能な漁業(サステナブル・シーフード)への取り組みを本格化させている。
「ただ消費するだけでなく、海を守りながら育てる」。そんな意識のもと、適切なサイズ管理や、未利用魚の有効活用を進める動きが広がっている。私たちが口にする一杯の鯛めしの裏には、瀬戸内の豊かな海を次世代へとつなごうとする、地域の人々の静かな決意と努力が隠されているのだ。
旅の締めくくりに。道後温泉の湯上がりに楽しむ至高の一杯
松山観光のハイライトといえば、やはり日本最古の名湯・道後温泉だろう。湯上がりの火照った体に、地元の冷えた地酒を流し込む。そして、その傍らにはやはり、炊きたての鯛めしがよく似合う。
温泉街の夜風を感じながら、地元産の日本酒と鯛の旨味に酔いしれる時間は、日常の喧騒を忘れさせてくれる。旅の記憶は、景色とともに「味覚」として脳裏に深く刻まれるものだ。松山が誇る至高のソウルフードは、今宵も訪れる人々の心とお腹を優しく満たしている。 (出典: 鯛めし 松山(Yahoo!ニュース))